公正証書遺言について
財産を残す被相続人が、最も確実に自らの意思を相続人に伝える方法として、遺言書を残すという方法があります。この遺言書は法的分割ルールに乗っ取り、正しい作成方法が取られていれば良く、さまざまな方法での作成が認められています。しかしながら最も法的に強制力が強く、安全で確実な遺言書作成方法となれば、間違いのない方法が公正証書遺言です。公正証書遺言書は一度作成されると、公証人役場においてその後20年間保管され、裁判所の判決効果と同じ効力を持つ、非常に強制力の強い遺言書となります。また長期によって第3者機関で保管がなされるので、非常に安全で確実な遺言書を作成する事が可能だと言えます。
この遺言方法は、被相続人が本人である事の証明を持参して、相続の利害関係にない証人2名と役場内で管轄の公証人役場に出向き、その役場で公証人を含めた関係者の前で口頭によって遺言内容を述べ、それを公証人が書面で書き留める事で成立します。仮に適切な遺言内容に悩んだ場合でも、公証人がアドバイス等をしてくれますので、心配の必要がありません。また、被相続人の身体的事情等により、公証人役場に訪問が不可能な場合は、公証人が自宅へ訪問してくれますので、自宅で遺言手続きを取る事になります。どの手法であれ、口頭で伝えられた遺言内容は書面化された後、公証人が遺言者と証人2名に閲覧もしくは口頭で申し伝え、その後関係者が署名・捺印する事で遺言書が成立します。この遺言書の原本は公証人役場で保管され、正本が遺言者に手渡されます。この正本については公証人役場で再発行が可能ですので、正本が紛失となっても安心です。
この公正証書遺言は、遺言書として、家庭裁判所などの承認手続きが全く必要ないため、被相続人の没後速やかに遺言の執行が行える事から、確実な相続実行について良い方法であるといえます。同伴する証人については、法的な専門家である弁護士等にその依頼を行うのが、適正な遺言書作成の上でも良いでしょう。