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相続分皆無証明書について

相続には様々な法律見解が存在しますが、中にはその見解について過去の判例より注意すべき相続手続きもあります。また、相続には分割を行えない様な遺産もあり、そのような場合はその遺産がどの様な性質のものなのか、またトラブルのない様にしておくためには具体的にどの様にするのが良いのかを知っておく事、もしくは専門家の意見を受けられる様な状況を作っておく事が大事だと言えます。典型的なものに、被相続人の残した遺産が事業などの遺産しかなく、相続人が複数いた場合、現実的に事業性の存続を考えた場合に、分割して相続を行う事は出来ません。しかしながら遺産分割協議で特定の相続人が事業を継承し、全ての相続人にその承認を得て、捺印をもらうのも、他の相続人からすれば、不公平感を感じる強引なやり方であり、精神的に気持ちの良いものではありません。

このような場合に相続分皆無証明書を発行する事で、これらの手間を省き、簡単に遺産の分割を行う事が出来ます。また事業を継承する相続人からすると、他の相続人の相続放棄を得る事なく、相続分皆無証明書があれば事業に関する名義変更を行えます。遺産分割協議に必要とされる各相続人の時間や労力や費用を考えると、この相続分皆無証明書は非常に大きなメリットがあると言えます。しかしながら事業以外に金融資産などがあった場合は、争いになる可能性が高いと言えますので、公平な分配がなされるような処置を事業継承者が考える必要があります。

しかしながら相続分皆無証明書において、最も大きな問題は被相続人に負債があった場合です。相続分皆無証明書により、事業資産や金融資産は全て事業継承者に遺産が相続されますが、負債の場合は一概にそうはなりません。債権者は法定相続の割合に従って、各相続人に負債の請求を行う事が出来るからなのです。つまり、他の相続人からすると、資産の分割相続は受けられないにも関わらず、負債の相続だけはする事になってしまう可能性がある訳です。この様な状況下にある場合は相続放棄を行い、無用なリスクを追わないようにすることが大事でしょう。

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