推定相続人について
普段生活していると、兄弟の所在や生存がどうなっているかわからないという人はあまりいません。しかし、兄弟全員が所帯を持ち、生活基盤を持つ場所も離れてしまうと、常に兄弟の所在がどうなっているかを正確に把握しないケースもあり得ます。仮にこの場合、父親が亡くなった時に、その遺産を相続する権利を持つのは配偶者である母親と、その子である兄弟全員という事になりますが、その所在が完全に明らかにならない場合は、その相続人は全て推定相続人という事になります。つまり法定的に権利があり、その所在や生存の確認が取れるまでは、当然遺産を得る権利を持つ相続人は全て推定相続人となり、その所在、生存が明らかになった場合に初めて法定相続人という事になるのです。
仮に父親が亡くなった時に、兄弟のいずれかが既に他界していた場合、その他界した本人は騒然相続権を既に失効していますが、その本人に子がいた場合、その子が代襲を行えば、その子が推定相続人となります。この様に推定相続人とは、ある者が死亡した場合、その死亡によって法律上法定相続人としての権利が生まれる対象者を指してそう呼びます。この推定相続人の状態では、遺産分割協議を始める事は出来ませんので、当然その生存を確認し、また遺産の相続の意思の有無を確認し、推定相続人から法定相続人になるのかどうかを決めなければなりません。このように被相続人が死亡した場合、法的に相続の権利を持つ相続人の優先順序は明確に民法で定められていますが、その法律上の取り決めはその対象人物の生存が明らかになり、相続の意思を持っている事で、初めて相続人としての認識が出来るものであり、この相続人が確定出来ないと遺産分割協議は開始できず、相続そのものを明確にする事は出来ないという事になります。
仮に相続人の1人が行方不明等になっていた場合、その本人の失踪を宣告する手続きを行い、失踪をしている事で相続の権利が失効している事を明らかにしたり、本人の子がいるかどうかで、代襲相続の有無を明確にする必要があります。