遺産分割について
故人が残した遺産を相続する場合には、さまざまな相続の仕方があります。遺言状に基づくものや遺言書などがない場合に、法的に遺産を分割して相続する方法があり、これを遺産分割と言います。基本的な遺産分割の概念は、故人に対してその遺産を相続する権利を有する相続人が、全員共同して相続する場合に法律に従って遺産を分割する事を指して言います。
またこの遺産分割には、その対象となるものと、対象にならないものがある事も知っておく必要があります。家や現金など主に換金が可能なものや、借金や住宅ローンなど、負債等についてはその対象となりますが、墓や、仏壇、または生命保険などの受取人が指定されている物などはその対象とはなりません。細かな分類については、それらの法的判断に詳しい弁護士に問い合せてみるのが最も良い方法でしょう。また、法定相続人として存在はしていても、行方不明や所在が分からない相続人がいる場合や、遺産分割がスムーズに解決を見ない場合もあります。その場合は家庭裁判所に申し立てを行い、裁判所の力を借りて調停を行う事になります。それでも解決しない場合は、審判手続きに自動的に移行し、それぞれの相続人に対して、遺産の把握、法的根拠により適正に審判判断が行われ、遺産分割の審判が行われます。
基本的に遺産分割は、複数の相続人がいた場合、故人が亡くなった瞬間に共同相続人がその遺産を共同所有する状態となります。この共同所有の間は、個人による遺産についての売買や、処分などが許されない状態となり、その保全が守られない状態が考えられる場合には、相続人等の請求により、裁判所の決定で財産保全処分を言い渡す事が可能になっています。これらの状況に応じた手続きや、判断を行うには法的な知識が必要となり、素人では手に負えない部分があります。従って、財産をもつ人が亡くなった場合、自分が相続人にあたる方は、その遺産についての法的なアドバイスをくれる、弁護士などの専門家に早期に相談出来るようにしておかなければなりません。