世上遺言について
あなたが仮に死期を悟って遺言書を書く時、その遺言書は法的に有効な物を作成する必要があります。この法律上有効なという言葉は、いくつかの意味を含みます。
- 法的な有効性を確保するために遺言書の作成方法や、作成手順を正しく理解し実行すること。
- 遺言書の書き方について、脱落やあいまいな表現がない事によって、法律上有効な遺言書となる様に書き方を守る。
これらは法律上、弁護士等にその作成手順や文言の指導を受けながら、正しい遺言書を作成する必要があります。特に難しいのは、この内の2.にあたる文言の書き方に関する知識です。
遺言書の作成目的は、あくまで「法律上の財産を分割する目的で作成」されるものであり、道義上の観点に立って、被相続人の望みを主張する書面ではない事をは理解しなければなりません。この道義上の文言を主に世上遺言と言います。例えば兄弟仲良くや、家族皆仲良く、等という一見道義上当たり前の事柄を遺言書の中に記載する事は、法律上の意味を持たず、あまり記載してもその効力を持ちません。基本的に遺言書に書いてはならない制限などはありませんが、本来の目的である遺産の分割を進める上では、むしろ適切な文言とは言えないので、表記すべきではないでしょう。どうしても書面で残したい場合は、手記や手紙を別途残すのが良いでしょう。
これらの適正な文言の選別は、法的書類を作成する際に、素人では非常に判断が難しい部分があります。例えば財産を大幅に継承する相続人の指定をすると、同時に配偶者の面倒を見る事、と記載する事は、条件でもありますが、読み方を誤ると、善意の要求という意味も持ちます。しかしながら、この様な文言は法的に効力を持つ言葉となります。この様に遺言書を作成する時の文言の選定は非常に微妙であり、難しいのです。従って正しい遺言書を作成する上でも、この様な法的書類の作成に慣れた弁護士などの専門家にアドバイスを依頼し、間違いのない遺言書作成に努めなければならないのです。