遺留分減殺請求権について
法定相続人は財産が残された場合、その財産について遺言や何らかの手段によって、その財産が分割、もしくは全て第3者に相続がなされる場合に、法律によって保証される法定相続人の遺留分権利を主張し、遺贈や一定の贈与の効力を停止する権利であり、遺留分減殺請求権を行使することができます。
この手続きは、他の遺贈のような権利行使のために、登記を行わなければならない等の条件はなく、請求を起こそうとする対象者に意思表示するだけで効力があります。しかしながら会話だけでは、その権利行使を第3者で把握する事が明確ではないため、やはり書面などを作成し、その内容証明を利用し、相手方にしっかり意思表示をした事を明確にしておかなければなりません。間違いのない権利行使を行うには、やはり弁護士などの専門家を通じてこれらの行為を行う法的代理者や、仲介者となってもらう事が大事でしょう。この遺留分減殺請求権は、通常の相続だけであれば考える必要がないのですが、思いもしない相続権利者が出てくる可能性もあり、その場合に必要になる可能性のある権利ですので、十分に認知しておく必要があります。
注意しなければならないのは、相続に関する他の権利と同様、この遺留分減殺請求権についても、その効力は永久ではなく、時効があるという事です。この時効の概念は、法定相続人である遺贈分権利を有する者が、遺贈等が発生した事を知った時から1年間、もしくは相続が開始された年から10年を越え経過した時に有効となり、権利が消失となってしまうので、注意しなければなりません。従って、このような事で大事な権利を消失してしまわない様に、できれば相続が開始された時に、相続の認知を共に出来るような弁護士を持つ等の、環境作りをしておく必要があります。弁護士に依頼するには、多少の費用を負担しなければなりませんが、いざという時はやはり頼りになりますので、準備を怠らない様にしましょう。