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遺産相続について教えてください。
余命幾ばくもない祖父がいます。祖母は他界しており、子供が5人います。
性別は関係ないと思うので、上から順にA~Eとさせていただきます。
この5人に相続権があるかと思います。私はBの子供です。
Aは現在2年ほど消息不明で、家族とも縁を切る胸を兄弟に伝えて遠くへ行ってしまいました。法的手段はとくにとっていないようです。(法的に親子関係は持続)
Bは祖父の住む家の近くに住み介護をサポート、現在も頻繁に病院へ見舞いに行っています。
Cは祖父と同居して介護を担当、現在も頻繁に病院へ見舞いに行っています。
Dは他県に住み、我関せず。三ヶ月の入院中1度も見舞いへ来ていません。
Eは他県に住み、介護にはほぼ関係していないものの、週末の度に見舞いに来ています。
祖父の意志としては、B、C、Eに財産を残したいと言っています。祖父が遺言を書けばそれは可能ですか?
しかし、遺言が書けるかもうわかりません。祖父の言葉を録音しても効力がありますか?
また、遺言がまったくない場合、Aに相続権はありますか?
ご相談ありがとうございます。
お祖父さまがB,C,Eのお子さんのみに相続させる旨の遺言を遺したとしても、A,Dのお子様には遺留分の請求権があるので、それを主張すればその分を相続することができます。
遺留分は、法定相続分の2分の1ですので、今回の場合A,Dさんはそれぞれ法定相続分の5分の1の半分の10分の1ずつの請求権をもつことになります。
次にお祖父さまがご自身で遺言を書けない場合ですが、録音での遺言は認められませんが、公正証書遺言という方法があります。
これは、公証人がお祖父さまの遺言の意思を録取して、それを文書として書き起こし、お祖父さまに読み聞かせ、間違いがないことを確認したうえで公正証書とするものです。
なお、遺言を遺すには遺言者に意思能力がなければならないので、ひどい認知症などの場合は遺言が無効とされることがあります(該当しそうな場合は、別途ご相談ください)。
公正証書遺言では、公証人が短時間で一度に遺言者の意思を正確に録取することは大変なので、実際には、あらかじめ行政書士が遺言者と相談しながら、遺言者の意思を時間をかけてじっくりとお聞きして、遺言の内容を代書した原稿を作成し、それを公証人にお渡しするという方法がとられます。
自筆での遺言の場合、お祖父さまがお亡くなりになった後に、家庭裁判所に検認(けんにん)の申し立てを行い、相続人がお集りの中で裁判所が遺言書を開封し、その遺言がご本人のものであることが間違いないということを証明してもらうという手続きをとらなければなりません。また、いざ開封したものの、遺言の方式に誤りがあり無効となってしまうということもあります。
しかし、公正証書遺言であれば、専門家が法律に沿って作成しますし、お亡くなりになった後、戸籍に死亡の記載がされた時点で、すぐに相続手続きを開始することができるので、若干費用はかかってしまいますが、お亡くなりになった後のことを考えると、公正証書遺言を遺されることをお勧めします。
なお、遺言には単に誰に何を相続させるかを記載するだけでなく、「付言」を付すことができます。
ここで、遺言者のこれまでお世話になった方々への感謝の気持ちなどの想いなどを記すことになります。
また、今回のご相談の場合であればB、C、Eのお子さん3人は献身的に介護してくれて本当に助かり、うれしかったということ、そこでこの3人に相続させたいとの想いに至ったことなどを記すとともに、A、Dさんに対してはそのことを理解してほしいとのお祖父さまのお気持ちを記すことで、A、Dさんもお祖父さまの遺志を知ることになり、遺留分の請求を行わないということも考えられます。
遺言の内容を考える場合、そのような付言の内容を重視して遺言書の原稿を作成している行政書士に依頼することをお勧めいたします。
詳しい回答、ありがとうございました。
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