遺産相続の悩みを無料で専門家に相談できる
現在、父の母(私の祖母)のことを、母が介護しています。父はすでに他界しており、祖母(95歳、要介護4)を母(72歳)が介護している状態です。
私(息子)と妻もサポートしていますが、昼間の間家には母しかいないため母の負担が大きくなっています。
父には弟が2人いますが、次男は妻側の姓になっており、三男は幼い頃に近所に養子に出されていて3人の苗字はそれぞれ違います。
また、その2人の弟は口もお金も出さない状態であり、まったく祖母のことを手伝ったりもしません。
母(長男嫁)、次男(姓は違う)、三男(法律上息子ではない)、孫兄(私)、孫妹(他県に嫁いでいる妹)、ひ孫(私の娘で大学生)
以上が相続の可能性がある親族かと思いますが、どのように分配されるのか教えてください。内容は畑と貯金、実家です。また、介護への関わりを遺産に直結させるには祖母に遺言を残してもらう他はありませんか?
お祖母さまの三男である、養子に行かれた叔父様の相続権について、補足いたします。
養子には普通養子と特別養子があり、特別養子縁組では実親との親族関係が無くなりますが、普通養子縁組では実親とは親族関係が継続します。
特別養子縁組制度が施行されたのは昭和63年で、特別養子の対象となるのは6歳未満の子供です。このため、叔父様の年代の方は普通養子となります。
(特別養子縁組制度については、別途調べてください。)
三男の叔父様は幼いころに養子に行かれていて、法律的にお祖母さまとの親子関係がないとお考えのようですが、上述したように普通養子縁組では養子に行ったとしても、実親との間の親子関係が切れるということはありません(民法上、特別養子縁組制度以外に実の親子の親族関係が無くなるというような規定はありません)。
このため、養子は養親の実子(嫡出子)と同じ身分を取得し、養親の相続人となれますし、同時に実親の相続権も有することになります。
ですので、三男の叔父様はお祖母さまの実子として、法定相続人となります。
お母様の献身的な介護、大変なこととお察しします。
まず、ご相談の場合の相続人とそれぞれの法定相続分は、次男(1/3)、三男(1/3)、孫兄(ご相談者様、1/6)、孫妹(1/6)で、残念ながらお母様は相続人とはなりません。
お母様に財産を残したいい場合は、第一にはお祖母さまに遺言を残してもらう方法があります。ただし、遺言はお祖母さまご自身の意思で残す必要がありますので、仲江先生がおっしゃるように、お祖母さまにきちんとご説明してご理解いただくことが必要でしょう。
なお、遺言を残すとしても、次男様と三男様には遺留分を請求する権利がありますので(遺留分減殺請求権)、全財産をお母様に遺贈するという内容にすると、後日の争いの元となります。ですので遺留分には注意する必要があります。次男様と三男様の遺留分はそれぞれ1/6となります。
また、遺言を残すには、その方に意思能力がなければなりません。お祖母さまは要介護4とのことですが、認知症などで意思能力が無くなっている場合には、遺言は残せません。
意思能力があるかは、村上式などの診断方法で医師が診断しますが、その際は成年後見業務に詳しい士業の資格者にかかわってもらい、医師への説明をしてもらうと良いでしょう。
ただし、意思能力があるのであれば、寝たきりで文字を書くことができなくても、公正証書遺言として、公証役場の公証人に出張して来てもらい作成してもらうことができます。
なお、行政書士は事前にお祖母さまの意思を確認して、ご意向に沿った遺言書の原案を作成したり、公証人と調整したりといった業務を行っています。
遺言の他には、お母様とお祖母さまが養子縁組をする方法があります。
この場合、お母様は相続において、お祖母さまの実子と同じ権利を有することができます。
この場合の相続権は、お母様、次男、三男がそれぞれ1/4ずつで、ご相談者様と妹様は1/8ずつとなります。ご相談者様ご家族3人の相続権を合計すると1/2となり、それなりの割合になるのではないでしょうか。
また、この場合お母様は相続人としてお祖母さまを介護したということで、寄与分も請求することができます(ただし、これまでの事例からは、寄与分として認められる額は少額となるでしょう)
。
なお、この場合には遺言を残す場合と同様に、お祖母さまにお母様と養子縁組をするという意思があることが必要です。
お祖母さまの容態にもよりますが、それぞれの方法には、それを満たす要件がありますので、それらに詳しい専門家にご相談することをお勧めします。
意思能力があるかの診断方法は、「長谷川式簡易知能評価スケール」でした。
認知症の有無を判断するために用いますが、家庭裁判所が成年後見制度で、意思能力の有無(成年被後見人に該当するか)を判断するための指標のひとつとしても使用されます。
まず第1に、お祖母様の有効な遺言があれば、その遺言の内容が優先されますので、お祖母様の遺言があるか、遺言を作成する意思があるかをご確認すべきと考えます。次で述べるようにお母様には相続権がありませんので、お祖母様にきちんとご説明すれば、献身的な介護をなさっているお母様に財産を残されるのではないでしょうか。
遺言がない場合、相続人は、お祖母様の次男(法定相続分3分の1)、三男(同3分の1)、ご相談者様(長男の代襲相続人として同6分の1)、ご相談者様の妹(同6分の1)となります。養子縁組をしても原則として、実親子関係はなくならないため、三男も相続権があると考えた方がいいでしょう。ただし、特別養子縁組の場合、実親子関係はなくなってしまうため、戸籍の調査が必要となります。
遺産分割協議は、相続権のある4人の話し合いで決定することができます。
お母様に財産を残す方法としては、お祖母様の生前に資産をお母様に贈与することも考えられます。
相続人は、以下の人になります。(敬称略)
次男(姓は違う)、孫兄(私)、孫妹(他県に嫁いでいる妹)の4名です。
法定相続分は、それぞれ、1/2、1/4、1/4です。
三男ですが、他の家へ養子に出ていても親子関係が切れていない場合があります。一度、確認してみることをおすすめします。三男の親子関係が切れていない場合、三男にも相続権が残っています。その場合、法定相続分は、次男1/3、三男1/3、孫兄1/6、孫妹1/6です。
しかし、遺産分割協議(話し合い)によって、遺産分割は自由に行うことができます。しかし、お母様は相続人ではありませんから、遺産分割協議によって財産を得ることはできません(孫兄さん=ご相談者様は得ることができます)。
お母様が遺産を取得するには、遺言を残してもらうか、遺贈契約を結んでもらうか等の方法が考えられます。