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土地の相続について教えてください。
土地が2つあります。2つとも住まいの近くです。1つは兄、1つは弟が相続する予定ですが今後もこの土地に住み続ける予定の兄に分だけ先に名義変更したいと考えています。兄と弟は歳の差があり、弟はまだ学生で、卒業後は海外に住みたいと言っています。つまり弟はこの土地に住み続けるかわからず、まだ自分の土地にしたくないとのことです。
このような場合の遺産分割協議書は、どう書いたら良いでしょうか?それぞれが相続するように記載していいのか、一旦両方兄が両方を相続するように記載したらいいのかわかりません。
弟は、場合によっては兄が両方相続することに意見はないようです。
また、今は名義を兄にするなどして、土地を売却することになったらそのお金を弟に渡すことになったら税金が課せられますか?宜しくお願いします。
ご相談を頂き、ありがとうございます。
1.まずご質問の事実関係を確認させて頂く必要があると思います。例えば、
(1)「土地が二つあります。2つとも住まいの近くです。」とございますが、そうすると相続財産は、土地二つに加えて、現在のお住まいの土地・建物となるでしょうか、現在のお住まいは借家で、相続財産にはならないという前提で宜しいでしょうか。
(2)弟さんは海外に住みたいので、自分の土地にしたくないとのことですが、例えば、不動産管理会社に委託し、当該土地を賃貸に出せば、弟さんは賃料収入をもらい続けることができますが、このようなメリットを弟さんはご理解されているでしょうか。
(3)弟さんが土地を相続しない場合、代償金による解決を図ることが考えられますが、被相続人又はお兄さんに十分な預貯金はありますか。
2.弟さんが土地の相続にこだわりがなく、また、お兄さんの方でも弟さんに代償金を支払うことに異論がないようですので、事実関係の詳細が明らかになれば、円満に遺産分割協議書を作成できると思われます。
ただ、税金の負担を最小にするためには、いろいろと工夫を必要になりますので、お早めに専門家にご相談下さい。
ご質問有難うございます。
税理士の秋山です。
この問題は、まず土地の価値があるのかないのかが重要です。
いわゆる駅前などの一等地であるとか、売却が見込める住宅地であるなどの土地の場合と、過疎地に存在する土地の場合とでは同じ土地でも説明が全然違ってきます。
過疎地に存在する土地であれば売却も見込めないでしょうし、借り手もいないでしょうから、相続しても夏場の草引きなどの管理で手を取られるだけで、収入も見込めず金食い虫の土地と言えますから、相続してもあまり有り難くありません。土地の管理の面からも、今後近くに住み続けるお兄さんに相続して貰った方が良いでしょう。
一方、駅前や住宅地に存在する価値の高い土地であれば、
①遺産分割の関係や
②相続税のこと
③将来売却するのであれば譲渡所得税の事
④贈与税の事
まで説明しなければなりません。
以下、①~④について、概要を説明します。
①相続するつもりであれば、遺産分割協議書に相続する財産として記入して、署名・押印(実印)をして、印鑑証明書を添付する必要があります。
なお、登記には期限がありませんから直ぐに登記をする必要はありません(早く登記するに越したことはない)が、相続するという遺産分割協議書を作っておけば、将来相続登記する場合も有効です。
②駅前などの一等地や環境の良い住宅地であれば、土地の資産価値は高いので相続税の課税対象になる可能性が高いです。
どなたが亡くなられて相続人は兄弟二人だけなのか、亡くなられた方の配偶者は存命なのかが分かりませんが、兄弟二人だけであれば、相続税の基礎控除は4,200万円ですから、今回の土地と亡くなられた方の他の財産を加えて4,200万円以上あれば、亡くなられた方の住所地の税務署に10ケ月以内に相続税の申告書を提出して納税する必要があります。
③将来、相続した土地を売却すれば、所得税(譲渡所得)の申告も必要になってきます。(仮に、弟さん名義の土地を売却した時に弟さんが海外に出ていたら、お兄さんに納税管理人になってもらって、お兄さんが弟さんの代理で申告してもらう事も可能です。
④今回、とりあえずお兄さんの名義にしておくとしたら、将来自分がお金が必要になった時にお兄さんに売却してもらい、お金をお兄さんから受け取ったとしますと、登記名義人が所有者ですから、売却代金はお兄さんのものとなり、お兄さんが譲渡所得税の申告をして納税し、税金を差し引いた残額を弟が受け取れば贈与税の対象になり弟さんは贈与税を納める必要が生じて来ます。
譲渡所得税の申告と納税はお兄さんか弟さんのいずれかが行う必要がありますので一緒ですが、贈与税は土地の名義を最初から弟の名義にしておけば発生しない税ですから余分な税という事になりますから勿体ない事になります。
弟さんはまだ学生とのこと。現段階で相続の事など考えられずに、いわゆる「どっちでもいい」と思っておられるようですが、自分が将来事業でも起こすような場合であるとか、結婚して家を建てるような場合には土地を所有していると建物の資金で済みますからとても有利です。
ご質問は、このようにいろんな問題を含んだ内容ですから、将来に悔いを残さないためにも、専門家と直に面談して相談される事をお勧めします。