遺産相続の悩みを無料で専門家に相談できる
4年前に夫と離婚しています。
子供3人の親権は私にあります。現在は元夫から3人の養育費をもらっています。
元夫は2年前に再婚し、1人子供がいるそうです。私は再婚していません。
・ もし元夫が亡くなった場合、3人の子供にも遺産を相続する権利はあるのでしょうか?
(遺言書に、私の子供にも相続するという記載がない限り、相続権はないのでしょうか。)
・ 子供の養育費を必要とする場合は、その遺産から支払ってもらうことは可能でしょうか?
・ 私が再婚して子供の名字が変わった場合、相続権がなくなったり等、条件が違ってくるのでしょうか?
たくさん質問してしまってすみませんが、教えてもらえたら助かります。よろしくお願い致します。
既に各先生方から回答され、ご理解されていることが伺える状況ではありますが、私も回答させていただきます。
・ もし元夫が亡くなった場合、3人の子供にも遺産を相続する権利はあるのでしょうか?
(遺言書に、私の子供にも相続するという記載がない限り、相続権はないのでしょうか。)
→ 各先生方の回答のとおり、相続の権利についてはご心配要りません。遺言の問題でもありません。
もし元夫が亡くなった場合(相続の発生)、相続人の特定(確定)をしなければ分割協議書も成立しません。預金の払い戻しにしても、不動産の相続登記にしても、被相続人の「出生から死亡までの戸籍謄本」、遺産分割協議書が必要になります。戸籍謄本を取得すれば必ずご相談者のお子様が相続人であることが判明しますので問題がないということです。
元夫の親族は亡くなったことを即時知ることができますが、ご相談者のお子様については知ること自体が遅れることが想定できます。
そのことについてプラスの財産については、現在の親族の状況によっては分割協議時に何か(例えば減額や放棄を求めてくる等)言ってくる可能性がありますが、自己の権利を主張することはできます。
注意事項としては、住宅ローン等で負の財産しかなかったときに、知ることが遅れるが故に、手続上面倒を強いられる可能性があることもあります。
ある事例として、被相続人に負の財産(不動産の住宅ローン絡む)しかなく、返済が滞っていたまま亡くなられたケースで、現直接の親族が全員相続放棄をしたが、その相続人は知らなかったため、抵当権者の代位登記でその不動産を相続したことになっていたというものです。
もちろん、各先生方がおっしゃるとおり、相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」ですので、ことなきは得られますが、精神的なもの迫られて手続をとる手間等、相当の負担を強いられます。
とはいえ、事前に相続のことを考えてプラスかマイナスかを聞いておくなどということはできないでしょうから、相続開始を知ったときに的確な対応が出来るように「相続」について知識を何となくでも抑えておいたほうが良いことは間違いありません。
マイナスのときの話を強調した感じになってしまいましたが、知識の一部として知っておいていただきたいことをお伝えできればと思いました。
・ 子供の養育費を必要とする場合は、その遺産から支払ってもらうことは可能でしょうか?
・ 私が再婚して子供の名字が変わった場合、相続権がなくなったり等、条件が違ってくるのでしょうか?
→ こちら2点につきましては各先生方がおっしゃられたとおりですので、回答を省略いたします。
ご相談ありがとうございます。田中先生と重複する部分もありますが、お答えします。
もし、元夫が亡くなった場合、3人のお子さんには必ず相続する権利はあります。
ご相談者が、再婚しても名前が変わっても、血のつながったお子さんには相続権があります。
もし遺言書を残していて、3人のお子さんの分がなくても遺留分を請求する権利(本来の相続分の2分の1)があります。
但し、マイナスの財産も相続しますので、借金を残して亡くなった場合は、借金も相続します。その場合、相続放棄ができます。(亡くなったことを知った時から3か月以内)
養育費はご主人が生きているときにもらわないといけません。
お子さんもまだ小さく手がかかるときでしょうから、養育費は、別れた奥さんの為ではなく、お子さんが生きていくためです。もし養育費をもらうことを決めないで別れたにしてもこれからもらうことができます。
お子さんのためにぜひ請求してください。
田中先生が詳しく説明されていますので、遺留分について説明させていただきます。
相談者様のお子様の父親(元夫)が、相談者様のお子様に相続させない内容の遺言を残していた場合に請求することができるのは(遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん))、遺言がなければ相続することができる権利の2分の1となります。
その時に今の奥様がご存命かや、お子様が何人になるかで相続割合は変わってきます。
また、その際に相談者様のお子様がお亡くなりになっていて、そのお子様に子供がいた場合には、その子供が遺留分減殺請求権を行使することができます。
なお、遺留分減殺請求権は、元夫が亡くなり相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間、または相続開始の時(お亡くなりになった時)から10年で時効となります。
【参考】
民法1028条(遺留分の帰属及びその割合)
兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一
民法1042条(減殺請求権の期間の制限)
減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。
以下を訂正させていただきます。申し訳ありません。
「その時に今の奥様がご存命かや、お子様が何人になるかで相続割合は変わってきます。」
↓
「その時に元夫に配偶者がいるかや、お子様が何人になるかで相続割合は変わってきます。」
元夫が今の奥様と離婚した場合は、その方も相続権はなくなりますので。失礼いたしました。
ご相談ありがとうございます。
ご質問について、1つずつご回答させていただきます。
・質問1 元夫が亡くなった場合、3人の子供にも遺産を相続する権利はあるのでしょうか?
回答 離婚していても、3人のお子様は、元夫の実子にかわりあり
ませんので、相続する権利があります。
遺言書に記載してもらわなくても大丈夫です。
逆に、元夫が、今の妻とそのお子さんにしか相続させない内
容の遺言書を作成したとしても、3人のお子様には、最低限
相続できる財産を遺留分として保証されています。
ただし、この遺留分は、遺留分の権利をもつものがその権利
を行使しないといけません。(遺留分減殺請求といいます)
自動的に財産を分けてもらえるわけではないので注意してく
ださい。
時効により、権利が消失することもあります。
・質問2 子供の養育費を必要とする場合は、その遺産から支払ってもらうことは可能でしょうか?
回答 養育費の支払いは、親子関係そのものから発生する扶養義
務です。
この義務は、元夫の一身に帰属する義務で相続人に相続され
ないと考えられます。
ですので、元夫の相続人(元夫の今の妻など)に養育費の支
払いを求めることはできないと思われます。
ただ、質問1の回答にもありますように、3人のお子様は元
夫の遺産を相続することができますので、特に問題はないか
と思います。
・質問3 私が再婚して子供の名字が変わった場合、相続権がなくなったり等、条件
が違ってくるのでしょうか?
回答 例え、ご相談者様が再婚したとしても、3人のお子様の相続
権はなくなりません。
また、ご相談者様の再婚した夫と3人のお子様が養子縁組し
た場合でも、元夫に対する3人のお子様の相続権はなくなり
ません。
早速お答えいただき、ありがとうございました。
元夫の再婚した家族にしか相続されないものだと思っていたので、安心しました。3人の子供たちに、遺留分という権利があるということも知れて勉強になりました。
また、名字が変わった場合や、養子縁組をした場合でも相続権があることに変わりないということなのでよかったです。
説明もとてもわかりやすくて、相談してみてよかったです。
本当にありがとうございました。